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塩の考え方 [コラム]

ご飯、味噌汁、漬物という食生活パターンが完成したのは、鎌倉時代だと言われています。
これほど素晴らしい食生活パターンはないのです。
ただし、このような食生活を勧めると、塩分が多くなりすぎないか、という疑問をもつ方もいるかもしれません。
何しろ、保健所など行政の栄養指導では、減塩、減塩と塩さえ減らせば健康になるといわんばかりの指導をしています。
これは、昭和54年に厚生省が、日本人の一日当たりの食塩摂取は平均12.3gであり、これを「1日10g以内」にするのが望ましいと指導してからのことです。
また、それに先だって、昭和35年頃から始まった秋田県の減塩運動は、それまで県民の最大の死因であった、脳卒中が激減したことで大きな成果をおさめました。
これは脳卒中の原因である、高血圧が減ったからですが、この結果は減塩がいかに高血圧、脳卒中の減少に有効であったかの裏付けになっています。
当時の秋田県では1日に30~40gもの塩分をとっていました。これはあきらかにとりすぎです。健康を害してしまうのも無理はありません。

ただし、このような習慣が悪いことだったのかといえば、少し疑問があります。昔から「霜枯れどき」という言葉があります。昔は、東京などでも正月から春先までは野菜がほとんどなくなってしまったものです。そのため、暮れになると、たくさんの漬物をつけました。
それを春先まで食べてきたわけです。当然、秋田などの雪国では、この時期、ほとんど野菜はとれなかったはずです。それを漬物という保存方法でまかなってきたわけです。
素晴らしい先人の知恵だと思います。その結果、塩分が多くなりすぎたのかも知れません。しかし、その期間、漬物がなかったら、ほとんど野菜のない食生活になっていたはずです。しかも、毎年のことです。もっともっと、大きな健康問題になつていただろうと思いますね。いずれにしても、三30gの塩分が減ったことは、高血圧や脳卒中を減らしたことは事実だと思われます。
むしろ、わずか数gの塩分を減らすために、神経を遣いストレスになることのほうが問題だと考えるべきです。
現在のあらゆる慢性病は、たった一つの要因で語れるものではないのです。高血圧にしても、年齢、ストレス、肥満、性、運動、遺伝、人種… … さまざまな要因が重なっていることがわかっています。けっして、食塩だけで語れるものではありません。

減塩を実施した上で塩以外のもっと他にも重要なポイントに注目すべきなのかもしれません。
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